雨漏れによる外壁の修繕・補修リフォーム工事の流れと費用。

今回ご紹介する工事事例のお宅は築7年。普通ですとまだまだリフォームをする時期ではありません。
以下がそのお写真です。一見なにも変わった所はなさそうですが・・・・これが・・これが・・大変な事態となっていました。

と言うのも実はこの住宅で何件も新築時から雨漏れが可能性があり、かなり建物に損傷があると思われました。
しかも、肝心の販売会社・施工会社は共に倒産しており、通常使えるはずの10年保証も使えず保険会社と交渉をしながら進める。というかなり特殊な事例です。

特に外壁の雨漏れでお困りの方へ知って頂きたいのですが、外壁からの雨漏れ補修工事がどの様に進むのか? また、外壁交換だけでなく、雨漏れによって傷んだ柱や梁をどの様に補強するのかを詳しくご説明致しますので、ご参考にしていただければと思います。

 

雨漏れ補修・躯体補強リフォーム工事の期間や費用

  • 工事期間  約8週間
  • 工事内容  外壁補修(窯業系サイディング)と躯体補強工事
  • 費用    320万円(税別)

 

代表 袖野
実はこの建物を販売した会社、施工会社ともに倒産していました。通常ですと10年保証で施工店や販売店が保証するのですが、今回は会社がなくなっていたために「保険会社との交渉」となりました。まずは、保険会社へ提出する資料を作成するために、雨漏れが起きていそうな場所の壁を壊して内部を目視する作業から始まりました。

家の補修工事の進み方

まずは外壁内部の雨漏れ箇所を確認する作業から始始めます。実は当社、このような保険を使った工事は今回が初めてでしたので、「怪しい箇所」も実は保険屋さんに指示を頂き、開口工事を進めました。


このように、電動工具を使って、怪しい部分を確認していきます。

開口しますと、写真のようにばっちり腐っている個所もありました。

ここは、全く雨漏れがありません。予想外でした。

また、微妙な部分もありました。
さて・・・ここからまたまた、問題が出ます。この時点で工事予算(見積もり)を算出しなければなりません。保険の認定範囲や基準単価もあり、保険適応外に なりますとお客様負担となってしまいます。免責金額だけでお客様に負担をかけたくないので、かなり頭を悩ましました。

さて、数回現場で保険屋さん、そして保険の鑑定人と打ち合わせを行いました。何回も何回も保険屋さんも鑑定人も現場に足を運んで頂き本当に助かりました。
感謝です。そして、保険屋さんが・・「壊してみないとすべての工事内容は解らないが、保険が後から着いてくると思ってください」とホットする言葉を頂きました。初回の打ち合わせから約半年かかりましたが、ようやく着工となりました。

外壁を壊していくと・・・・ここまではまだまだ予想していました。

かなり、危篤な状況。ここまで雨水が侵入していたとは思いませんでした。ここで、保険概算のやり直しとなり、またまた、保険屋さんと鑑定人に現場に来て頂きました。

いたる部分が損傷しています。

下見の段階でも損傷がひどいのでないかと・・・思われたましたが・・・

上の個所の解体後の写真です。ここまでひどいとは思いませんでした。

 

完全に家の躯体(重要な柱)部分まで腐っています。

解体作業は壊して良い部分と壊さない部分の作業に気を使います。壊しすぎますと復旧工事がやりにくくなるためです。壊している段階で復旧方法を明確にイメージする事が極めて重要です


保険屋さんと打ち合わせをした個所、また水漏れの疑いがある個所を徹底的に解体していきます。

このように、雨水は侵入しているけれど、腐っていない個所もあります。

袖壁部分の解体も終了。

おおむね、解体工事が終わりました。ここで、今一度保険屋さんと鑑定人に現場に足を運んで頂き、保険の再査定を行って頂きました。この時鑑定人から
「ここまで壊して頂けると鑑定しやすい」と言って頂きました。


断熱材も撤去してこれから補強工事が始まります。

 

ずは、躯体柱の補強工事からスタートします。今回は躯体の柱は撤去せずに補強をする工法を選びました。なぜか・・・・。躯体の柱を差し替える工事は非常にリスクが大きい。

なぜか・・・既存柱を取り除く時に梁の接続、土台の接続に十分な強度が保てない。また、ジャッキを使い柱を抜く時に解体しない場所への影響が心配。が、大きな理由です。

しかし・・・ここからが、問題です。この柱をどうやって補強するのか?新築時と同じ強度を保つ工事をどの様に行うのか?ここからがソデノ建装の出番です。

幸いにも、痛んだ柱は約1/3程度でしたので強度を保つにはこの痛んだ部分1/3を補強する事で大丈夫と一級建築士にアドバイス頂きましたが・・・そんな程度の補強ではソデノ建装は許しません。

この写真は、既存躯体柱に新しい柱をボルトで固定している作業です。


どこでも売っている建築用のボルト10ミリを使いました。どこでも手に入る部材は安い、安心できる部材です。部材の利点を最大に生かす工法が大切だと私は思っています。

補強する前に、腐った部分に防腐剤を塗り腐食を進行させないようにします。

その後、2×4材を使い四角く枠を作ります。2×4の壁で強度を作ります。

新しい枠も腐食を防ぐために棒材を塗ります。

枠の中に2×4材を隙間なく入れていきます。今回の補強工事は、既存の柱を生かし間柱の間に2×4材を入れて壁すべてを柱にする方法を選択しました。また、この後、12ミリ構造用べニアを壁面にはり壁構造(2×4構造)にします。2重で補強する方法です。


梁より下部分の2×4材での補強が終わりました。すべて強度を考えてビスでの接続としました。かなり時間がかかります。

2×4材も1本物を使います。短い物を接続しましすとどうしても強度不足が心配になります。長い材料をカットして使いました。


2×4材を入れたのちに構造用12ミリべニアを張りました。最終的に外装仕上げはサイディングを使う予定でしたので、厚みも考えての作業です。このように、躯体が痛んだ部分はすべて同じ工法で補強していきます。

 

構造用べニアの施工

躯体柱損傷の少ない個所は2×4材を使い、補強しました。

痛みが激しかった「袖壁」はすべて新しく作り直しました。この壁ですが以前は壁が高かった為に母屋梁に接続して強度を保っていましたが、今回は壁を低くして母屋との接続しない方法を取りました。

これも母屋の強度を保つためです。高さを1800ミリしたのも、構造用べニア3×6尺板で強度を高める為。また、このような強固な金具を使いました。

2×4の補強。12ミリ構造用べニアの補強。2重の補強が完了しましたのでこれからは防水シートの作業です。


2×4の補強。12ミリ構造用べニアの補強。2重の補強が完了しましたのでこれからは防水シートの作業です。

ここの作業は極めて重要。壊さない壁と壊してしまった壁との接続です。防水シートを張る前に、コーキングを入れます。その後、防水テープを張ります。そして、防水シートを張り再度コーキングを入れます。ここでも4重の雨漏れ対策を行いました。出ズミにも防水テープを入れます。

新築とは違い、リフォームですので、電線やケーブルTV,電話などの配線を切らずに施工していきます。ここにも用心の為に防水テープを張ります。

このように、雨漏れしそうな怪しい部分には十分注意してシート作業を進めます。やはり、防水シートが雨漏れの最終保障ですのでおろそかな作業ではいけません。

最終仕上げのサイディング作業です。今回はサイディングを横張にしました。リフォームの場合、縦張りは非常に難しい。仕上がりがキレイでないです。また、横張でも多少サイディングがずれる場合もありますので、タイル柄のようなハッキリとした物を使うと家が曲がって見えます。なるべく柄のない物を選ぶのがポイントでした。もちろんこの事はお客様に説明して選んで頂いています。


サイディングは金物を使って止めます。やはり金物を使った方が割れや地震対策には有効です。

奥様が「黒が好き」との事で母屋は黒いサイディングを使いました。袖壁は城を使いました。

解体しなかった個所との接続はやはりコーキングで補修。

完成です。グレーの部分壁は工事を行っていません。周りの黒い壁は新しい壁。キレイに収まりました。

サイディングの角、今回は金物を使いました。

玄関と新しく作った袖壁。黒と白のバランスがいいですね。

黒い部分が新しい壁です。

外壁補修工事のリーダー高橋の紹介

外壁塗装工事の職長。高橋。埼玉県飯能市出身。職歴25年。塗装工事・屋根の張替・ウッドデッキ工事・内装工事等、リフォーム工事の達人。お客様からは「器用な職人」「説明が丁寧」「なんでも出来て凄い」とよく言われます。

高橋から一言「お客様とソデノがお約束した工事内容、仕上がり、収まりをあなたの現場で忠実に再現します。作業中に気になる事や心配事がありましたら、いつでも私に声をかけてください。

今回の塗装工事でのお約束

  1. 雨漏れ工事費用は保険で賄える様にする
  2. 傷んだ柱や梁の補強は新築と同様にする
  3. 雨漏れは完全に直す

お客様の外壁塗装の不安や心配の解決方法(抜粋)

〇雨漏れ工事費用は保険で賄える様にする

代表 袖野

保険担当者の方や鑑定建築士の方と連絡を密に取る事で、保険の適応する工事、適応しない工事を判断させて頂き、なるべく保険適応工事で作業を進める配慮をしました。

〇傷んだ柱や梁の補強は新築と同様にする

代表 袖野

補強に関しても保険適応工事となりましたの、1級建築士でもある鑑定士にアドバイスも頂きました。またこちらから補修工事の提案なども鑑定士に確認頂き工事を進めました。

〇雨漏れは完全に直す

代表 袖野

当社の技術と経験を最大限に生かして作業を進めました。当社が補修工事を行った箇所での雨漏れはソデノ建装の責任となりますので、妥協しない工事内容で作業を進めました。

今回の工事のまとめ

完成しました。実に打ち合わせ半年。工事も2か月かかりました。電気工事や板金工事以外、すべてソデノ建装が行いました。また、ここまで細かく工事を管理できたのも自社での施工だったと思います。

今回は保険屋さんと鑑定人の方には大変お世話になりました。色々ご相談をさせて頂き助かりました。ありがとうございました。このように、保険を使った工事の打ち合わせはすべて袖野が窓口となって対応します

いかがだったでしょうか? 雨漏れによる補修工事のお話でした。
ご不明な点やご相談がございましたら、お気兼ねなくお問い合わせ下さい。

またソデノ建装では、外壁塗装や増改築に関するお得なパックもご用意しております。
実例と共にご紹介しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。

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