家の雨漏れをそのまま放置してしまうとどんな危険性や被害が発生するのかについて解説致します。
八王子のリフォーム専門店、ソデノ建装、代表のソデノです。今回のお話ですが、雨漏れしている建物をそのまま修繕や修理をせずに雨漏れを放置してしまうと、建物にどの様な被害が発生してしまうのかを具体的に写真を交えて説明します。
また、1番怖いのが雨漏れしている事が解らずに放置してしまって被害が広がってしまうケースも多々ありますので、雨漏れしているのかを見極める方法も実際の写真で解説致します。
そして、皆さんが気になる、雨漏れを修繕・補修する費用はどの程度になるのかについて、2級建築士のソデノが詳しく解説致します。
雨漏れによる外壁補修ですが、雨漏れ発生から時間が経過すればするほど、被害は拡大します。特に建物の躯体と言って、柱や床梁、小屋梁、土台などが損傷しますと工事は難しくなり費用も高額になります。
なので、なるべく早めに専門家にご相談した方がいいと私は思います。
お話の順番ですが
- こんな症状に注意。雨漏れが疑われる外壁の状態と内部の事例
- 雨漏れを放置した場合の建物に与える被害について
- 修理・修繕方法と費用
- まとめ
以上のお話を進めていきますので、最後までお読みなってください。また、この記事の最後には雨漏れ外壁と躯体補修の動画もご紹介していますので、動画のご拝聴もお願い申し上げます。
家の雨漏れを放置すると大変な事になります。雨漏れは早期発見・早期修理が1番です。
ここから、当社で施工しました雨漏れ被害例をご紹介いたします。
雨漏れが疑われる外壁の状態と内部の事例
雨漏れによる外壁と内部の破損状況 その①
上の写真をご覧ください。外壁塗装が少し劣化している様に見えますが、この状態は確実に外壁の下まで雨水が入り込んでいます。
完全に下地べニアまで雨水の影響で腐っています。
防水シートを撤去した様子です。お客様もここまでひどいとは思ってもいなかったそうです。ベランダに関しては骨組みからすべて新しくしました。
雨漏れによる外壁と内部の破損状況 その②
水切り金具の上のサイデイングが一部、破損している様子です。
外壁を剥がしてみると、長い年月雨水により外壁内部の下地が傷んでいました。また、柱の破損もひどい状態でした。
建物の角部分の破損がひどく、構造的にもしっかり修復しないと建物の強度も落ちてしまいます。
上層部に行くほど被害が大きくなっています。
雨漏れによる外壁と内部の破損状況 その③
雨漏れの疑いのある部分を開口して内部を調べます。
予想が当たりました。完全に防水シートの裏側まで雨水が入り込み、下地も損傷しています。
この場所の上部はかなりひどい状態でした。
外壁を見る限り、ここまで外壁の内部がここまで破損しているとは一般の方は想像できないと思います。また、建築業界の方でも経験や知識のない人ですと、破損状態はイメージできないと思います。
雨漏れは時間が経過すればするほど、被害が大きくなり修理や修繕費用も高額になります。雨漏れの疑いがあった場合は、早めに専門家にご相談下さい。
台風や大雨で室内へ雨水が入り込むケースが良くあります。大雨や台風での一時的な雨漏れはそれほど心配しなくて大丈夫です。注意したい雨漏れは、少しの雨でも室内に雨水が落ちてくる場合や晴れた日でも室内壁の一部が湿っている等、常に水分がある場合はご注意ください。
建物に与える被害について
木造建物の最大の敵は「水とシロアリ」だと私は思います。特に雨水や漏水などによる水の影響は、大きな被害となる場合があります。
木材は本来、水に濡れたぐらいでは腐る材質ではありません。たとえ濡れても乾燥すれば問題ないのですが、常に雨水などで湿っている場合ですと、木材は腐ってボロボロになっていきます。
現在の木造住宅は柱や梁も集成材と言って、細かい木材を接着剤で固めた材料を使いますし、下地べニアも接着剤で固めた板です。このように接着剤で固めた材木は水に弱い傾向があります。
外壁材や下地べニアが傷むのも心配ですが、家の構造で重要なな部分である、柱や梁、土台まで雨水で腐食してしまうと建物の強度に影響が出て、地震で崩壊したり、最悪な場合は、外部からの要因がなくても建物が崩壊する恐れも出てきます。
その他にも
- 内装が傷んでくる
- 床が水平でなくなる
- ドアや窓の開閉に支障がでる
- シロアリが発生しやすい
- カビ臭くなる
- 漏電による火災など
この他にも雨漏れによる被害症状はあると思いますが、どれも建物や健康に悪い影響を与える物ばかりです。実は不動産業界ではいちばん家の価値が下がるとも言われています。
雨漏れによる外壁の修理・修繕方法と費用
雨漏れによる外壁補修工事価格を表にまとめてみました。ご注意いて頂きたいのが、あくまでも目安の金額としてご理解頂きたいのですが、ご自身である程度相場を知っておくことは、外壁補修業者と打ち合わせを行う際に業者の判断基準の一つとして頂けると思いますので、ぜひご活用ください。
外壁補修の工事費用をまとめました。1㎡の単価となります。
工事項目 | 1㎡の単価(すべて税別) |
傷んだサイデイングの撤去・処分 | 1900円 |
下地べニア・防水シート | 3000円 |
新しいサイディング材 | 3500円~7500円 |
新しいサイディング材の取付 | 2000円~4500円 |
この単価はあくまでも「外壁補修費用」です。今回ご紹介したような工事例ですと、足場や塗装、水切り金物などの費用が発生します。
その他、雨漏れ補修・修繕に付随する工事と費用の目安
屋根補修・修繕 | 1〜50万円 足場が必要な時は足場代がかかります。 |
屋根の棟・谷樋板金の修理 | 3~15万円 別途足場費用が発生する場合もあります。 |
雨どいの修理 | 1~15万円 あくまでも修理の価格です。 |
ガルバ材屋根の交換 | 100〜200万円 カバー工法・葺き替えで価格が異なります。 |
天井の雨漏り修理 | 10~15万円 6畳の天井交換費用です。下地の様子で費用は変わります。 |
外壁の雨漏り修理 | 5~50万円 外壁のひび割れや破損状態で費用は変わります。足場代別途 |
漆喰の打ち直し | 30〜50万円 打ち直しの箇所や面積により異なります。足場代別途 |
外壁塗装+コーキング | 100〜190万円 建物の大きさで費用は変わります。 |
ベランダの雨漏り修理 | 3~25万円 防水方法で費用は変わります。 |
窓サッシ・天窓の修理 | 3~25万円 別途足場費用など発生する場合もあります。 |
屋上の雨漏り修理 | 20~100万円 防水方法で費用は変わります。 |
柱や梁の補強 | 15~250万円 雨漏れの状況で費用が変わります。 |
今回お話した内容のまとめ
雨漏れと言うと【屋根の破損】をイメージする方が多いと思いますが、外壁と下屋(1階屋根)と外壁の取り合いで70%の原因箇所とも言われていますので、実は外壁からの雨水の侵入が多い結果となっています。
1番雨漏れしやすい屋根でなくなぜ、外壁なのでしょうか?
私の経験でのお話ですが、屋根業者と外壁業者では雨漏れに対する意識は決定的に違います。屋根業者は「雨仕舞」といって雨漏れしない方法を常に作業中考えていますし、雨水の流れ方、雨水の溜まり方、雨水が入りやすい場所などの知識が豊富です。
それに対して外壁はほとんど垂直になっていますので、「雨は流れるだろう」「雨水はたまらない」と思っている方が多いです。雨に対する意識が違うので細かい箇所までの施工が外壁業者は屋根業者に比べると劣る事があります。
あくまでも私の経験からのお話ですが、屋根業者の先輩は雨仕舞にすごく神経質になっていました。半面、外壁業者の先輩は「コーキングで仕上げれば大丈夫だよ」と言っていました。雨に対する意識は違っていました。
おさらいポイント
- 雨漏れは早期発見・早期修理が基本
- 雨漏れ修理は専門家に相談
- 雨漏れを放置は百害あって一利なし
- 雨漏れ補修は高額な工事になる場合があるので慎重に検討